武蔵野大学の一般選抜と総合型選抜——武蔵野キャンパスは西東京市
説明会の受付で、キャンパス名の読み方を確かめる
武蔵野大学の説明会の受付で、保護者の方がパンフレットの地図を指して「ここは武蔵野市ですか」と係の方に尋ねている場面を、よく見かけます。名前が「武蔵野大学」なので、所在地も武蔵野市だと受け取ってしまうのは無理のないことです。ただ、武蔵野キャンパスの住所は東京都西東京市新町一丁目1番20号で、市名は西東京市です(学校の公式サイトより)。武蔵境から通う家庭にとってはむしろ近い側の立地ですが、願書や受験票に書かれる地名を頭の中で別の市に置き換えたまま動くと、当日の経路の組み立てを誤ります。まずはこの一点を、家庭の中の共通の前提にしておきたいところです。
この記事では、武蔵野大学の入り口として一般選抜と総合型選抜の二つがあることを軸に、武蔵境・三鷹・小金井・西東京あたりから通う家庭が何を確かめ、何を準備しておくとよいかを整理します。方式の細目や日程の確定値は、年度によって変わるものですから、この文章では書きません。手元に置くのは大学が配る最新の入試ガイドとし、ここでは「どこを見て、何を決めるか」の順番をお伝えします。
武蔵野大学の基本——二つのキャンパス
武蔵野大学は私立大学で、キャンパスは二つあります。武蔵野キャンパスが〒202-8585 東京都西東京市新町一丁目1番20号、有明キャンパスが〒135-8181 東京都江東区有明三丁目3番3号です(学校の公式サイトより)。学部や学科によってどちらのキャンパスで学ぶかが変わるため、志望する学部がどちらに属するかは、出願を考える前に必ず確かめておきたい情報です。
武蔵境からの距離感でいえば、武蔵野キャンパスは西東京市の新町という場所にあり、武蔵境・三鷹・吉祥寺からのバス圏として語られることの多い立地です。実際の所要時間や本数は日によっても時間帯によっても変わりますから、説明会やオープンキャンパスの日に、ご家庭で一度実際に歩いてみるのが確実です。有明キャンパスは江東区有明で、こちらは都心の埋立地側になります。同じ大学でも、通学の負担はまるで別のものになります。
「武蔵野大学だから武蔵野市」ではなく、「武蔵野キャンパスは西東京市、有明キャンパスは江東区」と、二つを一組にして覚えておく。これが、この大学を志望校の候補に置く最初の一歩です。
郵便番号の「202」が示していること
住所を確かめるとき、郵便番号にも目を向けてみると理解が早くなります。武蔵野キャンパスの〒202-8585 という番号は、西東京市と、隣接する一部の地域に割り当てられている番号です。武蔵野市の郵便番号は〒180 から始まりますから、パンフレットの住所欄に「202」が見えた時点で、そこは武蔵野市ではない、と判断できます(学校の公式サイトより)。細かい話のようですが、願書の住所欄を書き写すときに、この一桁の違いが効いてきます。
有明キャンパスの〒135-8181 は江東区の番号です。二つのキャンパスの住所を並べて書いておくと、どちらがどの市・区にあるのかが一目でわかるようになります。手元のメモには、市名と郵便番号をセットで書いておくのがおすすめです。
キャンパスが二つあることの意味
キャンパスが二つに分かれているということは、志望する学部によって、通学の経路も、周辺の環境も、四年間の生活の組み立て方も変わる、ということです。武蔵野キャンパスは住宅地に近い落ち着いた場所にあり、有明キャンパスは都心の再開発地区の中にあります。同じ大学の同じ名前の入試を受けていても、入学後に過ごす場所は別物になり得ます。
ですから、オープンキャンパスに行くときも、「武蔵野大学を見に行く」のではなく、「志望する学部のキャンパスを見に行く」という意識で予定を組むと、確認の密度が上がります。志望学部がまだ固まっていない段階なら、両方のキャンパスの場所を地図で確かめておくだけでも、後の判断が変わります。
入り方——一般選抜と総合型選抜の二つの入り口
武蔵野大学には、一般選抜と総合型選抜の両方の入り口があります。この二つは、選ぶというより、性格の違う二本の道として並んでいるものだと捉えておくと整理しやすいです。
一般選抜は、学科の試験を軸にした入り口です。総合型選抜は、出願書類と大学側の選考を通して、その学部で学びたい意欲や適性を見る入り口です。文学部の例では、調査書・エントリーシート・小論文が出願書類の型として挙げられています(情報誌より)。つまり総合型選抜では、試験の点数だけでなく、高校での学びの記録と、自分が何を書いて伝えるかが材料になります。
ここで注意したいのは、一般選抜の中にも複数の方式が用意されているのが通例で、全学統一方式といった呼び方がされる方式の細目は年度ごとに公表される、という点です。方式名・日程・科目の確定値は、必ずその年度の入試ガイドで確かめてください。この文章では、方式の名前や日程を断定的には書きません。理由は単純で、年度が変われば変わるものを、家庭の判断材料として固定してしまうのが危ないからです。
二つの入り口は、どちらか一方を選ぶものではない
「一般選抜か、総合型選抜か」と聞かれると、どちらか一方を選ばなければならないように感じる方がいます。ですが、実際には両方に出すこともできますし、総合型選抜の結果を受けて一般選抜に切り替える準備をしておくこともできます。大事なのは、どちらか一方に決めることではなく、それぞれの入り口が何を求めているのかを理解したうえで、自分の準備の時間をどう配分するかを決めることです。
総合型選抜は出願の時期が早く、書類の準備に時間がかかります。一般選抜は学科の試験が中心で、対策の期間を長く取れます。この性格の違いを踏まえると、高校3年の前半は総合型選抜の準備に重心を置き、後半は一般選抜の科目対策に重心を移す、という組み立てが現実的です。ただし、この配分はあくまで一例で、お子さまの得意・不得意や、志望学部の求めるものによって変わります。
総合型選抜を考える家庭が先に決めること
総合型選抜は、出願の時期が一般選抜より前に来ます。したがって、志望する学部を総合型で狙うのか、一般選抜に絞るのか、両方に出すのかを、高校3年の早い段階で一度決めておく必要があります。決めずに流していると、エントリーシートを書く時間が定期考査や模試の山と重なって、どちらも中途半端になりがちです。
文学部の例でいえば、出願書類に小論文が含まれます。小論文は、書き慣れていないと、何を書くかの前に、制限時間の中で構成を組み立てる段階でつまずきます。日ごろから、新聞の社説や説明会で配られる資料を読んで、自分の言葉で要約する練習をしておくと、当日の負担が変わります。エントリーシートも同じで、高校生活で力を入れたことを、出来事の羅列ではなく、そこから何を考えたかまで書けるようにしておきたいものです。
当塾で総合型選抜の相談に乗るときは、宮川と藤崎の二人で、書く材料の棚卸しから始めます。何を書くかが決まっていない段階で文章の添削に入っても、直しようがないからです。
調査書・エントリーシート・小論文、それぞれの役割
文学部の例に挙げられている三つの書類は、それぞれ役割が違います。調査書は、高校での学びの記録を大学側が受け取るものです。お子さま自身が内容を大きく変えることはできませんが、日ごろの出席や提出物、定期考査の積み重ねが反映されるという意味では、日々の学校生活そのものが準備になります。
エントリーシートは、お子さま自身が書く書類です。高校生活で何に取り組み、そこから何を学び、大学で何をしたいのかを、自分の言葉で伝えます。ここでよくあるつまずきは、出来事を立派に見せようとして、実際の自分より大きく見せる文章を書いてしまうことです。大学側は、立派さよりも、その人自身の考えの筋道を見ています。背伸びをせず、等身大の言葉で書くほうが、結果として伝わります。
小論文は、与えられたテーマに対して、制限時間の中で自分の考えを組み立てて書くものです。エントリーシートが時間をかけて練る文章だとすれば、小論文はその場で組み立てる文章です。日ごろの要約の練習と、時間を計って書く練習の両方が要ります。
一般選抜を考える家庭が確かめること
一般選抜を軸にする場合、確かめる順番は決まっています。一つ目は、志望する学部・学科が武蔵野キャンパスと有明キャンパスのどちらで学ぶか。二つ目は、その学部が一般選抜でどの方式を用意しているか。三つ目は、方式ごとの科目と配点、そして日程が重ならないかどうか。この三つを、最新の入試ガイドの一枚の表で見比べます。
特に、複数の方式を併願できる場合、同じ学科でも方式によって科目の組み合わせが変わることがあります。得意科目で受けられる方式があるなら、そこを軸に組み立てるのが基本です。ただし、方式の名前や科目の確定値は年度で動くので、前の年度のガイドをそのまま当てにしないでください。説明会で配られる資料は、その年度のものが一番新しい情報です。
もう一つ、見落としやすいのが会場です。一般選抜の試験会場が、志望するキャンパスと同じとは限りません。受験票が届いたら、会場の地名を指でなぞって、武蔵境からの経路をその日の朝の時間帯で組み直す。この一手間を省くと、当日の移動で余計な緊張を抱えることになります。
科目の組み合わせを見るときの順番
入試ガイドの表を開いたら、いきなり科目の欄から読むのではなく、まず方式の欄を縦にたどってください。同じ学科に複数の方式があれば、それぞれの方式がどの科目を求めているかが横に並びます。そのうえで、自分の得意科目が活かせる方式に印を付け、次に日程が重ならないかを確かめます。科目が合っていても日程が重なれば、両方は受けられません。
この順番を守ると、読むべき欄が絞られ、表全体を眺めて終わる、ということがなくなります。表を読む作業は、志望学部が決まった時点で一度、そして出願の直前に一度、合わせて二回行うと、見落としが減ります。
前の年度のガイドを当てにしない理由
前の年度の入試ガイドは、方式の全体像をつかむには役立ちます。しかし、科目や配点、日程の確定値は年度ごとに見直されることがあります。前の年度で受けられた方式が、次の年度にも同じ形で用意されているとは限りません。ですから、前の年度のガイドは「こういう方式があり得る」という見取り図として使い、確定値は必ず最新のガイドで確かめる、という使い分けをしてください。
説明会やオープンキャンパスで配られる資料は、その時点で最新のものです。資料を受け取ったら、日付を確認し、手元の古いガイドと入れ替えておくと、家庭の中の情報が一つの年度に揃います。
武蔵境から通う視点——バス圏という距離
武蔵境・三鷹・小金井・西東京に住む家庭にとって、武蔵野キャンパスが西東京市新町にあることは、通学の現実味を左右します。バス圏として語られる立地ですから、鉄道の乗り換えを重ねる有明キャンパスとは、日常の通い方が変わります。四年間、あるいは学部によってはそれ以上の期間を通うことを考えれば、この違いは小さくありません。
ただ、バス圏という言葉は、本数や所要時間を保証するものではありません。朝の時間帯の混み方、帰りの最終バスの時刻、雨の日の遅れ。これらは実際に通ってみないとわからない部分です。オープンキャンパスの帰りに、あえて行きと違う経路で帰ってみる。そうした確認を一度しておくと、入学後の生活の像が具体的になります。
夜の自習机に向かうお子さまの横で、保護者の方が「武蔵野キャンパスは西東京市なんだって」と話す。その一言で、家族の地図が少し正確になります。名前と所在地が一致しない大学は、それだけで確認事項が一つ増えるということです。
朝の時間帯で一度、経路をたどってみる
通学の確認は、休日の昼間に行うと、実際の負担を見誤ります。できれば平日の朝、学校へ行くのと同じ時間帯に、武蔵境から武蔵野キャンパスまでの経路をたどってみてください。バスの待ち時間、乗車時間、降りてから校舎までの道のり。この三つを分けて測ると、どこに余裕があり、どこが詰まりやすいかが見えてきます。
雨の日の確認もできれば一度しておきたいところです。バス停から校舎までの距離が短いのか、それとも歩く区間が長いのかで、雨具の準備も変わります。こうした確認は、入学が決まってからでもできますが、志望校を絞る前に行っておくと、通学の負担を判断材料に加えられます。
出願までの準備を、月ごとに分ける
入試ガイドが手元に届いたら、まずやることは、志望する学部のページを開いて、一般選抜と総合型選抜の両方の欄を並べて見ることです。総合型選抜の出願時期が先に来るなら、そこから逆算して、エントリーシートの下書きと小論文の練習を置きます。一般選抜の科目対策は、その後に本格化させます。両方を同時に走らせると、どちらも薄くなります。
三者面談の前の廊下で、保護者の方が入試ガイドをめくりながら「どこから手を付ければいいのかしら」とつぶやいている場面があります。そういうときにお伝えしているのは、方式を絞るのを先にし、科目の対策は後からでよい、という順番です。方式が決まれば、必要な科目も、書類の準備も、自ずと決まります。逆に、科目から入ると、方式の選択が後回しになって、出願の直前に慌てることになります。
当塾では、入塾の前にカウンセリングの時間を設けていて、そこでは志望する学部がどちらのキャンパスか、一般選抜と総合型選抜のどちらを軸にするか、といった整理から一緒に進めます。塾に通うかどうかを決める前に、一度話を聞いてみる形で構いません。
高校2年のうちにやっておくこと
出願の準備というと高校3年の話のように感じますが、実際には高校2年のうちに決めておけることがあります。一つ目は、志望する学部の候補を、キャンパスの所在地とセットで書き出しておくことです。武蔵野キャンパスなのか有明キャンパスなのかで、通学の現実味が変わるため、学部名だけで候補を並べると、後で通学の壁に気づくことになります。
二つ目は、総合型選抜を視野に入れるなら、高校生活で力を入れたことを、その都度メモに残しておくことです。部活動や文化祭、日々の学習で感じたことを、その場で短く書き留めておくと、エントリーシートを書く段階で材料に困りません。記憶は薄れますから、出来事があったときに書くのが一番確実です。
高校3年の春から夏にやっておくこと
高校3年の春は、志望学部を絞り込み、一般選抜と総合型選抜のどちらを軸にするかの見当を付ける時期です。夏は、オープンキャンパスや説明会に出向き、キャンパスの場所と通学経路を実際に確かめる時期になります。この二つを夏までに済ませておくと、秋以降は対策に集中できます。
夏の説明会では、配られる資料の日付を確認し、手元のガイドと入れ替えてください。また、文学部の例のように出願書類の型が公表されている学部なら、その内容を早めに把握しておくと、エントリーシートの下書きを始める時期の見当が付きます。
秋から出願までにやっておくこと
秋は、総合型選抜を軸にする場合、エントリーシートの下書きと小論文の練習を進める時期です。書いた文章は、家族や学校の先生に見てもらい、伝わりにくい箇所を直していきます。一般選抜を軸にする場合は、方式を確定させ、科目の対策の配分を決めます。
出願の直前になったら、願書の住所欄を公式の表記どおりに書き写す作業が待っています。武蔵野キャンパスなら西東京市新町、有明キャンパスなら江東区有明です。ここで市名を思い込みで書かないことが、最後の確認事項になります。
よくある誤解を整理する
この大学を考える家庭から、よく聞く誤解をいくつか挙げておきます。一つ目は、名前から所在地を武蔵野市だと決めてしまうことです。武蔵野キャンパスは西東京市にあります。二つ目は、一般選抜と総合型選抜のどちらか一方しか受けられないと思い込むことです。両方に出すことも、準備を並行させることもできます。
三つ目は、総合型選抜は書類だけで決まると思い込むことです。文学部の例では小論文が含まれていますから、書く力そのものが問われます。四つ目は、前の年度のガイドで方式が決まっていると思い込むことです。確定値は年度ごとに公表されるので、最新のガイドで確かめる必要があります。
こうした誤解は、どれも情報の出どころが古いか、名前からの連想で埋めてしまったことから生まれます。家庭の中で確認事項を一つずつ潰していくことが、出願の直前の慌ただしさを減らします。
まとめ——名前と所在地、二つの入り口
武蔵野大学は、武蔵野キャンパスが西東京市新町、有明キャンパスが江東区有明にある私立大学です。入り口は一般選抜と総合型選抜の二つ。総合型選抜では、文学部の例のように調査書・エントリーシート・小論文が出願書類の型として挙げられています。一般選抜の方式名・日程・科目の確定値は年度ごとに公表されるので、最新の入試ガイドで確かめてください。
武蔵境から通う家庭にとって、この大学を考えるときに最初に押さえるべきは、この二点です。名前から市名を連想せず、キャンパスの所在地を公式の表記で確認する。そして、二つの入り口のどちらを軸にするかを、早い段階で一度決める。この二つが決まれば、あとは月ごとの準備に落とし込むだけです。