武蔵野東高等専修学校の紹介と入り方

説明会の受付で、最初に「高校ですか」と聞かれる学校

武蔵野市緑町にある武蔵野東高等専修学校の話を、塾の面談室ですることがあります。名前だけを見て「武蔵野東の高等部」と受け取るご家庭が少なくありません。けれどもこの学校は、高等学校ではなく専修学校の高等課程です。ここを取り違えたまま願書の準備を進めると、あとで手戻りが出ます。

武蔵境から通う家庭にとって、緑町はそれほど遠くありません。だからこそ「見学に行ってみよう」の一歩が軽く、そのぶん最初の理解が雑になりやすい学校でもあります。この記事では、確認できている基本情報と、家庭で確かめるべきことを分けて書きます。

学校の基本情報

所在地と連絡先

武蔵野東高等専修学校は、東京都武蔵野市緑町2-1-10にあります(学校の公式サイトより)。電話番号は0422-52-2211です(同サイトより)。設置者は学校法人武蔵野東学園です。

武蔵野市の緑町は、武蔵境駅から西へ向かった住宅と学校の多い地域です。同じ学園には中学校などの系列校がありますから、調べるときは「高等専修学校」の文字まで読んでください。武蔵境の駅から歩いて通える範囲に、こうした進路の選択肢があることは、地元の家庭にとっては小さくない利点です。

高等学校ではない、という点

専修学校は、学校教育法に位置づけられた学校です。そのうち高等課程は、中学校を卒業した人が入る課程を指します。武蔵野東高等専修学校はこの高等課程に当たります。

高等学校と高等専修学校は、名前の響きが似ていても制度上の扱いが違います。高校は高等学校の学習指導要領に沿って教育課程が組まれ、卒業すれば高校卒業の資格が得られます。高等専修学校は専修学校としての設置基準のもとで教育を行い、卒業時の資格の扱いは、その学校がどの指定を受けているかによって変わります。この違いは、その先の進路を考えるときに効いてきます。

「専修学校」と「各種学校」は別のもの

用語の整理をもう一段だけ足しておきます。専修学校は、一定の設置基準を満たして都道府県から認可を受けた学校です。似た言葉に各種学校がありますが、これは別の区分の学校であり、専修学校とは制度上の位置づけが異なります。進路の資料を読んでいると、この二つが同じ文脈で出てくることがあります。同じ「学校」という字が入っていても、卒業後の資格の扱いは同じではありません。

また、専修学校には高等課程のほかに専門課程や一般課程があります。高等課程は中学卒業後に入る課程、専門課程は高校卒業後に入る課程、というのがおおまかな分け方です。武蔵野東高等専修学校はこのうち高等課程ですから、入学の入口は中学卒業後になります。この点は、専門学校と呼ばれる学校群と混同しないようにしてください。

名前が似た学校との区別

武蔵野市には、学園の名前を冠する学校が複数あります。進路の話をしているときに「武蔵野東の高等部」という言い方が出てくると、どの学校を指しているのかが曖昧になります。話を進める前に、正式な学校名を確認する習慣をつけてください。募集要項や説明会の案内には正式名称が書かれています。その名称に「高等専修学校」と入っているかどうかが、最初の分かれ目です。

大学入学資格の扱いをどう確かめるか

制度としての一般論

文部科学省の公表資料によれば、高等専修学校のうち、修業年限が3年以上、総授業時数が2,590単位時間以上などの要件を満たし、文部科学大臣の指定を受けた学校を卒業すると、大学入学資格が得られます。ここで押さえたいのは、高等専修学校を卒業すれば自動的に大学入学資格が付くのではない、という点です。要件を満たしたうえで指定を受けた学校であることが条件になります。

この制度は、高等専修学校の卒業生が大学へ進む道を閉ざさないために置かれています。逆に言えば、指定の有無を確認せずに「高等専修学校だから大学には行けない」と決めつけるのも、また「高等専修学校だから大丈夫」と決めつけるのも、どちらも早合点です。制度の条件を一つずつ当てはめて確かめる。それ以外に確実な方法はありません。

この学校が指定を受けているかは、こちらでは確かめきれていない

武蔵野東高等専修学校がこの指定を受けているかどうかについて、手元で確認できた資料の中には明確な記載が見当たりませんでした。ですから「指定校だから大丈夫」とも「指定がないから大学には行けない」とも、この場では書きません。断定できないことを断定して書くのは、進路を決める家庭にとって一番の害になります。

では家庭はどう動けばよいか。答えは単純で、学校に直接聞くのが確実です。説明会や個別相談の場で、「大学入学資格の指定を受けていますか」と聞いてください。聞きにくければ「卒業後の大学受験の資格はどうなりますか」でも構いません。学校の公式サイトに記載があれば、それも合わせて確認します。電話番号は上に書いたとおりです。

聞いた結果は、その場でメモに残してください。誰が聞いても同じ答えが返るはずの事柄ですから、家庭の中で認識がずれていると感じたら、もう一度確認すれば済みます。逆に、メモを取らずに「たしか大丈夫と言っていた」で進めてしまうと、あとから裏を取り直すことになります。

聞くときに一緒に確かめたいこと

指定の有無を聞くついでに、次の点も確認しておくと、あとで調べ直す手間が減ります。

いずれも、こちらで推測して埋めるべき事柄ではありません。学校が説明した内容を、家庭の側でメモに残しておく。これが基本です。

指定の有無で、何が変わるのか

指定の有無が進路にどう効くのかを、具体的な場面で考えてみます。大学を受験するとなれば、出願の時点で大学入学資格が問われます。ここで資格の扱いがはっきりしていないと、三年生の秋になってから書類の準備で慌てることになります。逆に、入学前の段階で扱いを確認できていれば、三年間の学びの組み立てを、その前提で設計できます。

もう一つ、資格の話は在学中の過ごし方にも影響します。大学進学を視野に入れるなら、日々の授業への取り組み方や、学校が用意する進路の支援を、早い時期から意識しておく必要があります。高等専修学校は高校とは教育課程の組み方が違いますから、高校の感覚のまま「三年生になってから考えればよい」と構えると、情報を取り損ねます。一年生のうちに一度、三年間の見取り図を学校に聞いておくと安心です。

入り方について、こちらで書けることと書けないこと

入試の方式・日程・人数は書かない

入試の方式、日程、募集人数といった具体的な中身は、手元の資料では確認できていません。したがってこの記事では書きません。世の中には「例年この時期にこういう入試がある」という形の情報が出回りますが、年度によって変わるものですし、古い情報をつかむと願書の締切を誤ります。

確かなのは、願書や募集要項を出す学校が、その年度の正式な情報を持っているということです。資料請求をする、説明会に出る、電話で聞く。この三つのどれかで、その年度の情報を直接取ってください。塾としても、ご家庭から聞かれたときに学校の公式の案内を一緒に読むところから始めます。

願書の準備は、何から始めるか

入試の中身がわからない状態でも、準備として始められることはあります。順番を決めておくと、動き出しが遅れません。

まず、学校の公式サイトで資料請求の窓口を探します。次に、説明会や見学の予定を確認し、家庭の予定と突き合わせます。そして、出願に必要な書類が何かを、その年度の案内で確かめます。中学校側で用意してもらう書類があれば、担任の先生に早めに相談しておく必要があります。この三つは、入試の方式がわからなくても進められる作業です。

書類の話は、意外に見落とされがちです。中学校の事務の都合もありますから、締切の直前に頼むと間に合わないことがあります。説明会で書類の話を聞いたら、その足で中学校に相談の予定を入れてしまう。これくらい前倒しでちょうどよいのです。

説明会に出る前に整理しておくこと

説明会の受付の列に並びながら、隣の保護者が「うちは高校のつもりで来たんだけど」とつぶやく場面を、よくある光景として思い浮かべます。悪気はなく、名前からそう受け取るのが自然なのです。ただ、そこで立ち止まれるかどうかが、その後の調べ方の質を変えます。

出かける前に、家庭で一枚のメモを作っておくのをおすすめします。左側に「学校に聞くこと」、右側に「家で決めること」と見出しを二つ書くだけです。学校に聞くことは、大学入学資格の扱い、卒業時の資格、出願に必要な書類、見学や相談の窓口。家で決めることは、通学の方法、三年間の費用の見通し、卒業後に進みたい方向。この二つを混ぜたまま説明会に行くと、聞けたようで聞けていないまま帰ることになります。

メモは、説明会のあとに家族で見返すためにも使えます。聞いた内容と、そのとき感じたことを並べて書いておくと、別の学校を見たあとに比べやすくなります。頭の中だけで比べていると、最後に見た学校の印象が強く残って、判断が引っ張られます。

見学で見るべきは、授業の中身

学校の印象は、校舎のきれいさや受付の対応で決まりがちです。けれども通うのはお子さま本人です。見るべきは、授業の中で生徒が何をしているか、先生がどこまで個別に見ているか、教室の空気が落ち着いているか。このあたりです。

高等専修学校は、高校とは教育課程の組み方が違います。だからこそ「毎日どんな時間割で、何を学ぶのか」を具体的に聞いてください。説明会で配られる資料だけでなく、実際の授業の様子を言葉で説明してもらえると、通う姿が具体的になります。

見学のときに生徒と話す機会があれば、通学のことを聞いてみるのも一案です。何時に家を出て、どのくらいで着くのか。そうした日常の話は、パンフレットには載らない情報です。ただし、在校生から聞いた話は、その人の経験です。学校全体の決まりごとと混ぜないように、制度に関わることは必ず学校の窓口で確かめてください。

中学生の側が、今からできること

保護者の動きと並行して、お子さま本人にもできる準備があります。学校の名前と所在地を自分で書いてみる、説明会で聞きたいことを一つ決めておく、見学のあとに感想を三行で書く。どれも小さなことですが、自分で調べたという感覚は、進路を選ぶときの落ち着きにつながります。

特に、説明会で自分から質問できるかどうかは、その後の学校生活の練習にもなります。聞きたいことを紙に書いて持って行き、読み上げるだけでも構いません。大人が代わりに全部聞いてしまうと、本人は聞き役に回ったままです。家庭で役割を分けておくと、当日の動きが変わります。

学期ごとに、何を進めておくか

ここまでの確認ごとを、中学校の三年間の流れに置き直してみます。学校の入試日程はこちらでは書けませんから、あくまで家庭の準備の順番として読んでください。

中学一年生のうちは、名前と制度の違いを知ることから始めます。高等専修学校という言葉を、高等学校とは別のものとして認識しておくだけで十分です。この段階で無理に志望を固める必要はありません。

中学二年生になったら、説明会や見学の予定を一度立ててみます。実際に足を運ぶのは三年生になってからでも間に合いますが、二年のうちに一度見ておくと、三年での比較がしやすくなります。この時期に、大学入学資格の扱いを学校に聞いておけば、三年生の進路の話を具体的に進められます。

中学三年生では、その年度の募集要項を軸に動きます。出願の書類、中学校との相談、家庭での費用の見通し。ここに来て初めて知る事柄を減らすのが、一年生と二年生の時期の役割です。逆に言えば、三年生になってから制度の違いに気づくと、確認できる時間が短くなります。

月ごとに見れば、説明会の案内が出る時期に公式サイトを確認する、長期の休みに学校の周りを歩いてみる、定期考査のあとに家庭で進路の話を一度する。この程度の粒度で構いません。予定を詰め込みすぎると続きませんから、学期に一つずつ進めるくらいがちょうどよいのです。

武蔵境から通うという視点

武蔵境駅から緑町までは、歩いても通える距離にあります。雨の日のことを考えれば、この近さは毎日の負担を確実に減らします。三年間、朝と夕方に往復することを思えば、通学時間の差は小さくありません。

近いということは、選択肢を絞らずに済むということでもあります。説明会に行ってみて違うと感じたら、別の学校を見に行けばよい。武蔵野市とその周辺には、高等学校も高等専修学校も、いくつかの選択肢があります。近さを理由に一校へ決めてしまうのではなく、近さを活かして複数を見比べる。それができるのが、武蔵境という土地の強みです。

一方で、近いからこそ「いつでも行ける」と先延ばしになりやすい面もあります。見学の予約は、思い立った週のうちに入れてしまうのが結局は早道です。

通学の方法を決めるときは、実際に一度その時間帯に歩いてみてください。朝の道は、休日の下見とは人の量が違います。駅からの道順、横断歩道の位置、雨の日に濡れそうな区間。そうした細かいことが、三年間の毎日に効いてきます。

家庭で確かめることの一覧

ここまでの内容を、確認の順番として並べ直します。

順番確かめることどこで確かめるか
1高等学校ではなく高等専修学校であること学校の公式サイト、説明会
2大学入学資格の指定の有無学校への直接の問い合わせ
3卒業時に得られる資格学校への直接の問い合わせ、募集要項
4その年度の入試の方式・日程・人数その年度の募集要項、説明会
5授業の中身と時間割見学、説明会での質問
6通学の方法と費用の見通し家庭での話し合い

1と2は、願書の準備より前に済ませてください。ここが曖昧なまま志望を固めると、三年後の進路で困ります。3から5は、学校に足を運ぶたびに一つずつ埋めていけば十分です。

よくある誤解と、その訂正

最後に、相談の場で出てくる誤解をいくつか挙げておきます。

一つ目は、「高等専修学校は高校ではないから、大学には進めない」という受け取り方です。これは制度の一般論としては正しくありません。要件を満たして文部科学大臣の指定を受けた学校の卒業生には、大学入学資格が得られる道が用意されています。ただし、この学校がその指定を受けているかは、学校に確かめる必要があります。制度があることと、この学校が当てはまることは別の話です。

二つ目は、「名前が武蔵野東だから、武蔵野東の高校と同じもの」という受け取り方です。学校の名前が似ていても、制度上の区分が違えば、卒業時の資格の扱いも変わります。正式名称を確認する習慣が、この誤解を防ぎます。

三つ目は、「入試の情報は塾が持っているはず」という期待です。塾が持っているのは、ご家庭が集めた情報を整理する力であって、学校の公式発表そのものではありません。方式や日程は、その年度の募集要項と学校の案内が唯一の拠りどころです。

四つ目は、「近いから、いつでも見に行ける」という油断です。近さは利点ですが、先延ばしの理由にもなります。予定を決めて動くことが、結果として一番早くなります。

塾の側から見えること

個別指導の教室に届く相談の中には、「高等専修学校という言葉を初めて聞いた」というものがあります。珍しいことではありません。中学校の進路指導でも、高等学校の話題が中心になりやすいからです。だからこそ、家庭で名前だけを頼りに判断せず、制度の違いを一度ていねいに押さえておく価値があります。

当塾では、入塾の前にカウンセリングの時間を取っています。そこでは成績の話だけでなく、志望する学校がどんな制度の学校なのかを、資料を一緒に開きながら確認します。大学入学資格の扱いのように、こちらでは断定できない事柄は、学校に聞くための質問の形に直してお渡しします。聞き方を用意しておくだけで、説明会で得られる情報の量は変わります。

まとめ

武蔵野東高等専修学校は、武蔵野市緑町にある専修学校の高等課程です。高等学校ではありません。大学入学資格の扱いは、文部科学大臣の指定を受けているかどうかで決まる制度上の話であり、この学校がその指定を受けているかは、学校に直接確かめてください。入試の方式や日程、人数についても、その年度の公式の案内が唯一の拠りどころです。

名前の印象で決めず、制度を確かめ、授業を見て、通う距離を想像する。武蔵境からなら、その一歩はずいぶん軽く踏み出せます。