武蔵野市立第五中学校の内申点事情

通知表を開いた台所で

学期の終わり、通知表を開いた台所で「この数字が高校入試にどう効くの」と聞かれる場面があります。武蔵野市立第五中学校に通うお子さまの保護さまと話していても、評定の数字そのものより、その数字が都立入試のどこに座るのかが見えにくい、という声をよく聞きます。ここでは第五中学校の基本情報を押さえたうえで、都立入試の仕組みの側から内申点の位置を整理します。

第五中学校の基本情報

武蔵野市立第五中学校は、武蔵野市立の中学校の一つです。武蔵野市立の中学校は第一から第六までの6校で、第五中学校はその5番目にあたります(市の公表資料より)。所在地は武蔵野市関前2-10-20です(市の公表資料より)。改築基本計画が進められていることも市の公表資料で示されています。

学区域の町名の細かい割り振りは、この記事では扱いません。通学区域は市の学区域マップで確認できます。住所から通学先を確かめたいときは、市の公表している地図を開くのが確実です。

内申点は都立入試でどこに効くか

都立高校の一般入試(第一次募集・分割前期)は、学力検査の得点と調査書点の合計が1000点満点です。比率が7:3の学校なら、学力検査が700点、調査書が300点になります。ここにESAT-Jの結果が加わり、A20点・B16点・C12点・D8点・E4点・F0点の配点で1020点満点になります(東京都教育委員会の令和9年度入学者選抜実施要綱より)。

調査書点の土台になるのが換算内申です。学力検査を実施する5教科の評定を1倍、実施しない4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の評定を2倍して足し合わせ、65点満点で数えます。5教科がオール3なら15点、4教科がオール3なら12点を2倍して24点、合わせて39点です。ここから1段上げるごとに、5教科なら1点、4教科なら2点が増えます。実技4教科の重みが2倍になる、という一点だけでも覚えておくと、学期ごとの力の入れどころが見えてきます。

換算内申から調査書点までの計算を一度通す

数字の並びだけでは実感がわきにくいので、計算を一度通してみます。5教科の評定がすべて3、実技4教科の評定もすべて3なら、換算内申は39点です。これを7:3の学校の調査書300点に置き直すと、39÷65×300で180点になります。換算内申65点が満点の300点に対応するので、1点あたりの重みは300÷65でおよそ4.6点です。

ここで実技4教科のどれか一つを3から4に上げたとします。換算内申は2点増えて41点、調査書点は41÷65×300でおよそ189点です。9点ほど動きます。5教科のどれか一つを3から4に上げた場合は換算内申が1点増えて40点、調査書点はおよそ185点で、動きは5点弱です。同じ「4」でも、実技教科のほうが調査書点を大きく動かすことが、この計算から見えます。

ただし、この計算はあくまで7:3の学校の一般入試の話です。学力検査700点の側では、1問の配点がそのまま積み上がります。調査書点で9点を稼ぐのと、学力検査で9点を稼ぐのとでは、日々の勉強の置き方が変わります。内申点は学力検査の代わりになるものではなく、学力検査と並んで合計に足されるものだ、という順番を崩さないほうが、学期ごとの計画は立てやすくなります。

10:0の方式と日程の確認

一部の学校は7:3と10:0(学力検査のみ1000点)の両方を計算して高い方を使う方式をとります。令和9年度にこの方式の対象として公表されたのは北園高校と武蔵野北高校です(都教委の2026年9月17日公表資料および報道より)。武蔵野市から通える範囲の高校の名前が出てくる方式なので、志望校を絞る段階で一度確認しておくとよいでしょう。第二次募集は6:4と10:0で高い方を使います。

令和9年度の日程も公表されています。推薦の出願は1月8日から1月18日、検査は1月26日(火)と27日(水)、発表は2月2日(火)です。第一次募集の出願は1月29日から2月4日、学力検査は2月21日(日)、発表は3月1日(月)。インフルエンザ等による追検査は3月9日で、発表は3月12日です。出願はインターネット経由で行われます(都教委の公表資料より)。

学力検査は国語・数学・英語・社会・理科の5教科です。一部の学校や学科では自校作成問題や傾斜配点があり、自校作成校の一覧は都教委が公表しています。

評定はどう分布しているか

東京都教育委員会は「都内公立中学校第3学年等の評定状況の調査結果」を公表しています。令和7年12月31日現在の調査で、対象は都内公立中学校等622校です(2026年3月公表)。例として示されている値を見ると、国語の評定「5」の割合は12.2%で、前年調査は12.3%でした。数学の評定「1」の割合は5.9%で、前年は6.1%です。

この数字からわかるのは、評定の5が全体の1割強にとどまるということです。都全体の実測では、たとえば国語の評定「5」は12.2%でした(都教委の公表より)。逆に1はごく少数です。どの評定に何割がいるかは年度と教科で異なりますが、1段上げるのにどれだけの積み上げが要るかが、内申点の実感につながります。

学校別の評定割合も都教委は公表していますが、第五中学校の数値はここでは扱いません。都全体の分布を頭に置いたうえたで、自分の学校の通知表を読み解く、という順番が現実的です。

評定についてよくある誤解

保護さまと話していて多いのが、「定期考査で高得点を取れば評定は5になる」という受け取り方です。都全体で5の割合が1割強ということは、考査の点数だけでは5の枠は埋まりません。観点別評価の3つの観点のうち、どれかが低いままなら、考査の点数がよくても評定は頭打ちになります。

もう一つ多いのが、「1学期の評定は仮のもので、3学期にまとめて決まる」という受け取り方です。学期ごとの評定が積み上がって3年生の評価になるので、1学期の数字はそのまま材料になります。1学期に落とした観点を2学期に取り返すことはできますが、1学期の分が消えるわけではありません。

3つ目は、「実技教科はセンスで決まる」という受け取り方です。実技教科も観点別評価で見取られ、提出物や振り返りの記入、授業への取り組みが材料になります。体育の実技テストの前に練習を重ねる、美術の作品を期限どおりに出す、音楽の器楽の課題を家でさらう。準備で動く余地は、5教科と同じだけあります。

学期ごとの動き方

内申点は3年生の最後にまとめて決まるのではなく、1学期・2学期・3学期の評定が積み上がって評価されます。だからこそ、学期ごとの動き方が大事になります。

まず定期考査です。考査の点数は評定の材料の一つですが、それだけで決まるわけではありません。観点別評価は、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つの観点で見取られます。考査の点数が取れていても、提出物が出ていなければ観点の一つが埋まらず、評定が伸びきらないことがあります。

提出物は、期限どおりに出すことが基本です。内容の出来より、出しているかどうかで評価の土台が変わります。ノートやワークの丸つけ、授業中の発言、振り返りの記入といった日々の積み上げが、態度の観点に入ります。

実技4教科は換算で2倍になります。音楽・美術・保健体育・技術家庭の評定を1段上げると、換算内申は2点増えます。5教科を1点上げるより効き目が大きいので、実技教科を軽く見ないことが内申点の設計では効いてきます。体育の実技テスト、美術の作品提出、技術家庭の製作、音楽の歌唱や器楽のテスト。どれも準備の段階で差がつきやすいところです。

よくあるのは、1学期の通知表を見て「思ったより低い」と感じた保護さまが、2学期の期末考査の直前になって提出物をまとめて片づけるという場面です。考査の点数は上がっても、態度の観点が1学期のままでは評定は動きません。学期の途中で、提出物の残りと授業中の様子を一度確認しておく。それが2学期以降の評定を変える近道になります。

1学期にやること

1学期は、評定の土台が決まる学期です。4月と5月は授業の進み方がゆっくりに見えても、観点別評価の記録は最初の授業から始まっています。ノートの取り方、ワークの提出の仕方、授業中の手の挙げ方。この時期に形が決まると、6月の期末考査までの積み上げが安定します。

期末考査の2週間前になったら、考査の範囲表を家族で一度開いてください。範囲表には、どのワークのどこまでが出るのか、提出物の期限がいつなのかが書かれています。考査の点数を上げる勉強と、提出物を仕上げる作業は別物です。前者は考査の直前でも詰められますが、後者は期限が来たら終わりです。範囲表を見て、提出物の期限から逆算して予定を置く。1学期のうちにこの癖がつくと、2学期以降が楽になります。

実技4教科は、1学期のうちに課題の全体像を把握しておくと動きやすいです。体育なら実技テストの種目、美術なら作品の締め切り、技術家庭なら製作の進み具合、音楽なら歌唱や器楽のテストの時期。学期の初めに配られる年間の予定から、これらをカレンダーに書き出しておくだけでも、期末の直前に慌てる場面は減ります。

2学期にやること

2学期は、1学期の評定を踏まえて動く学期です。1学期の通知表で観点のどこが低かったのかを、考査の答案と突き合わせてみてください。知識・技能の観点が低いなら、用語や計算の練習量が足りていない可能性があります。思考・判断・表現の観点が低いなら、記述の答案で空欄が目立っていないかを見ます。態度の観点が低いなら、提出物の期限と授業中の取り組みを確認します。

2学期は行事の多い時期ですが、行事の予定はこの記事では扱いません。学校から配られる予定表で確認してください。大事なのは、行事の前後で提出物の期限が動くことです。考査の範囲表と提出物の期限を、行事の予定と一緒にカレンダーに置いておくと、期限の重なりが見えます。

2学期の期末考査は、3年生にとっては進路を決める材料になる考査です。ここで評定が動くと、出願する高校の選択肢に影響します。逆に言えば、2学期の期末考査までに観点を埋めきれば、3学期は新しい単元の積み上げに集中できます。

3学期にやること

3学期は、学年のまとめの学期です。3年生にとっては、出願の時期と重なります。令和9年度の日程では、推薦の出願が1月8日から1月18日、第一次募集の出願が1月29日から2月4日です(都教委の公表資料より)。出願の書類を整える作業と、3学期の授業の課題が同時に来ます。

この時期に大事なのは、出願の準備と学期の課題を別の担当に分けないことです。出願の書類は保護さまが見るとして、学校の課題はお子さまが抱えます。どちらも期限があります。1月の初めに、出願の締め切りと3学期の提出物の期限を一枚の紙に書き出しておくと、抜けが出にくくなります。

1年生と2年生の3学期は、次の学年の評定の土台を作る学期です。3学期の評定は学年のまとめとして付きますが、内容は3学期に学んだことだけではありません。1年を通しての積み上げが見られます。3学期に新しい単元を丁寧にやることが、そのまま学年の評定につながります。

家庭でできる確認の仕方

通知表が返ってきたら、評定の数字の横にある観点の欄を見てください。知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つが、それぞれどう付いているかです。数字だけを見て「3だから真ん中」と受け取るより、どの観点が低くて数字が止まっているのかを見たほうが、次の学期の動きが具体的になります。

考査の答案も同じです。点数だけを見るのではなく、どの大問で落としているのか、記述の答案で何が書けていなかったのかを見ます。観点別評価の「思考・判断・表現」は、記述の答案と結びついていることが多いです。答案の記述欄が空欄になっているなら、知識はあっても表現の観点が埋まっていない可能性があります。

提出物は、期限の一覧を作るのが一番確実です。教科ごとに、どのワークをいつまでに出すのかを書き出します。ノートの提出がある教科は、ノートの綴じ方や丸つけの状態も見られます。期限の直前にまとめてやるのではなく、平日の短い時間に分けて進める。そのほうが、期限の前日に別の教科の考査が重なったときにも崩れません。

武蔵境から通う家庭へ

武蔵境から第五中学校に通うご家庭では、学校の様子と塾の様子を別々に見がちです。定期考査の答案が返ってきたら、点数だけでなく、どの観点で落としているのかを一緒に見る。提出物の期限をカレンダーに書き込む。実技教科のテストや作品の締め切りを家族で共有する。そうした小さな確認が、換算内申65点の積み上げになります。

当塾では、入塾の前にカウンセリングの時間を設けています。通知表と答案を持ってきていただければ、どこで評定が止まっているのかを一緒に整理できます。武蔵境から通うお子さまの学期ごとの動きを、学校の予定と突き合わせながら組み立てていく。それが内申点に向き合う第一歩だと考えています。